<お金の回収 実録1 リフォーム工事の失敗>
以下、当事務所が関与した事例から固有名詞等を改変してご案内いたします。
<経緯>
60代の女性よりお電話、かなり激こうされたご様子。「浄水器の設置工事ミスで家じゅうが水浸しになった。損害賠償請求をしたい」とのこと。
お聞きすると、引っ越してきたばかりだが、近所の家電量販店にオーダーして浄水器を設置した。設置後2~3日目に帰宅すると、床一面に数センチの水があふれていた。
直ぐに水道工事業者を呼び、点検、修理を依頼した。業者の所見では、通常設置されているはずのロックピンがいっておらず、上水のパイプが外れ、漏水した模様。
なお、階下の天井まで漏水し、クレームあり。
ご本人が、水道工事業者のレポートもそえ、TEL及び店頭で購入先へ抗議するも、のらりくらり。「女と思って馬鹿にしている」とさえ思われたようです。
<対応>
当事務所との打合せの後、まず当該家電量販店をネットで調査。上場企業ゆえ、有報が公開されており、そこで店長名が確認できたのでしめたもの。直ぐに内容証明郵便の作成を行い、夕方には店長宛てに発信。
翌朝、直ぐに担当者からTELあり、「直ぐにお伺いしたい旨」
その後も、ご依頼者と当事務所の間で打合せをしながらご依頼者が折衝し、最終的に妥当な内容で覚書を締結した。
<解決のポイント>
1.まず、事実関係や被害の確認をしっかり行った。
これにより交渉過程で挙げ足を取られるリスクが減る。
2.相手のことを良くリサーチした。上場企業の場合、非常に情報を得やすく有利だった。
3.内容証明には、ありきたりのことを書かなかった。
いかにも、「貴店の利用者である地域住民の老女(すみません)が窮している」とのニュアンスを盛り込んだ。
先方にしてみれば、これは単一のトラブルではなく、地域の顧客全体のトラブルかもしれないという“幽霊”を感じさせたこと。
4.金銭交渉の過程でも、1.に基づいて、表面的な修理代のみでなく、ごみの処理代、階下の損傷や、当事務所の内容証明作成の報酬まで補償させた。